東野圭吾『マスカレード・ナイト』
東野圭吾『マスカレード・ナイト』
マスカレードホテル、マスカレードイブに続くマスカレードシリーズの3作目です。おなじみの警視庁捜査1課の新田刑事とホテルコルテシア東京のコンシェルジュ、山岸尚美のダブル主役でお話が進みます。
今回も新田刑事はホテルマンに扮して、殺人事件の解決に挑むのですが、それに並行して起こるホテルでの様々な人間模様が、実に面白く、下世話な好奇心がくすぐられます(笑) 伏線張り巡らされるストーリーは最後までガッツリ推理させてもらえるし、さすが東野さんです☆
ただひとつ、どうしても気になるというか、そりゃないだろ!と作品の世界から一気に現実に引き戻される部分がありました。 女性心理が絡む部分でのご都合主義な考えでの話の展開。フィクションなので仕方ないと分かっています。ただ、これまでは有り得ない展開だと分かっていても読者に素直に受け入れさせるストーリー展開や描写が多かったんです。今回はちょっと引っかかってしまいました。