誉田哲也『背中の蜘蛛』
誉田哲也『背中の蜘蛛』
カバーには、読後あなたはもう日常には戻れないと書いてあり、レビュー見ても高評価が多かったので、かなり期待して読みました。
確かに初めて誉田さんの小説を読む方には衝撃的なストーリーの題材と展開で高評価というのは分かります。しかし誉田さんを読み込んでいる読者にはどうでしょう。
ごめんなさい。展開も人間関係や事件内容も登場人物が出揃った時点である程度先が読めて、正直、目新しさというものは感じませんでした。誉田さんをディスってる訳ではなく、安定感あると言いたいのです。直木賞候補となるだけの作品だったと思います。
ただし、誉田さんの作品一般に言えることでもありますが、グロ系や女性に対する残虐行為などの描写が苦手な方にはおすすめしません。
誉田哲也『あなたが愛した記憶』
誉田哲也『あなたが愛した記憶』
拉致監禁、両手親指切断、暴行、扼殺と、あまりにも残虐な連続OL殺人事件。センセーショナルで衝撃的な出だしは代表作の姫川玲子シリーズでも炸裂の誉田哲也流の掴みで、ちょっと具合悪くなりそうな表現が多々あります。しかし物語が動き出すと段々落ち着いていくと同時にページをめくる手も早まっていきました。
この作品で扱われている現象は、SFやファンタジーに分類されるんでしょうか。デジャヴを感じたり、小さな子供が語ったりするのを聞くと、ポジティブな方向で信じたい現象でもあります。 「心」に主軸をおいて事件解決に向かう作品でした。
出だしのグロさをクリアできれば、あとは楽に楽しく読み進めていけると思います。
城山三郎『本当に生きた日』
城山三郎『本当に生きた日』
これは昭和61年執筆の作品。バブルの始まり、かつ男女雇用機会均等法が施行された年です。キャリアウーマンて言葉が頭に浮かびました。肩肘張って、男性と同じスタイルで男性とやり合う、それが働く女性だ、という時代だったでしょうか
仕事か家庭かの二者選択しかない中で、他の選択肢もあるんじゃないの?自分を生かしていく方法もあるんじゃない?自然体で両立できる方法を探そうよ?っていう作者の考えが根底に流れているのを感じました。
ただ、時代が時代名だけに女性「が」家庭を守るという前提は一貫していて、なかなか共感できない部分ではあったけど、当時としては時代の最先端を行く考えだったのでは
と思いました。
この時代に地道に女性の地位向上のために頑張ってこられた先輩達のおかげで(今の60代~ですね)今の私達があるんだなぁ…まぁ、そういった話は出てきませんが、そんな風に感謝の気持ちを改めて持ちました。
今は性別によってではなく、個々の能力に応じて可能性が開ける時代に入ってきました。解決すべき問題点も多いけどだんだん良い方向に進んでいくのではなかと。これからは女性が、女性が・・・と主張するのではなく、LGBT等いろんな立場の人が気持ちよく過ごせる社会を目指していかなければと真面目に考えました。
志駕晃『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』
志駕晃『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』
昨年の年賀状の残りで懸賞応募です!毎年恒例になっていますが、当たったことは……数年前にクオカード1000円分くらいの記憶しかありません。
『スマホを落としただけ』シリーズ第2弾を読みました。
1作目の殺人鬼が続けて出演し重要な役どころを果たします。ハッカー、クラッカー、ダークサイト、サイバー犯罪対策課とネットを通した戦いが繰り広げられます。
あきることなく最後の1ページまで連れて行ってくれ、前作で感じたもやもや感や哀しさは特になく、あ~面白かった!と素直に感じられる作品でした。
北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』
ブラック企業で働く青年の命の物語。だけど、まったく重くなく、さらっと読めて、すぅ~っと心に染み入ってくる心が癒されるお話でした。電車の中で読みましたが
最後の方、涙が溢れて・・困りました(笑)
できたら終盤は部屋でひとり泣ける状況で読むことをお勧めします!この本を読んだら
日々の生活に疲れている人も そうじゃない人もいっぱい泣いて、すっきりして
次の日からはエネルギー満タンで働けるはずお勧めです!!